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2007年4月12日木曜日

入札制度という悪弊

今日、東海地方のある政令市の特定健診・・・計画策定について入札があり、地元のM社が350万円で落札したというお話しを聞きました。印刷製本費用だけでも150万円ほど見込まれ、これに、データ分析や計画素案、会議資料作成などを加えるとどんなに厳しく見積もっても1,000万円程度は必要な業務とのこと。市にしてみれば、安いに越したことはないということではあっても、こういう大幅な赤字覚悟の契約が何をもたらすのか、関係者の皆さんはよくお考えになるべきだと思います。

もちろん、この業界にこうした安値受注の話は、いわば山ほどあります。企業には、それぞれの事情があって、場合によっては安値受注に走らざるを得ない状況に追い込まれることも理解しているつもりです。また、私自身、通常であれば数百万円規模の入札に500円で応札した、などということを身近に聞いたこともあります。しかし、そうであっても、こうした契約がもたらすものは、まず業務を担当する研究員の超長時間労働(それは、労基法って何? という世界です)であり、次にコンサル企業の劣化、技量の低下です。場合によっては、受注した会社に業務をまともにこなすことのできるスタッフがいないといったケースすら生じます。

今回の特定健診・・・計画業務のデータ分析は、基本的にすべての給付データが共通仕様で電子化されている介護保険サービスの給付分析より、はるかに複雑で高度な技術、知識レベルが必要です。そうした点への配慮もなく、ただただ目先の価格だけを発注基準とする自治体担当者の見識もまた問われていると考えます。

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