労働安全衛生法における定期健康診断等に関する検討会(第4回)は、昨年12月21日に開催され、これまで企業などが医療保険者に委託してきた健診や保健指導と特定健診・特定保健指導の制度上の違いから生じる問題点について検討が行われました。なお、この検討会資料は、1月10日の「標準的な健診・・・検討会」の資料5として再録されています。
この12月の検討会資料に、経済団体や労働団体のヒアリング結果が掲載されていて興味を引きます。これをみると、経団連や東京商工会議所などは、これまでの安衛法(労働安全衛生法)からみてメタボリックシンドローム対策を前面に進められている今回の改正について「時間をかけて慎重に検討すべき」という点で共通しています。これは、企業側にのみ大きな負担がかかる結果になることへの警戒感が背景にあるものと思われます。
この点、経団連の意見として「基礎疾患の予防は個人の責任。腹囲、喫煙歴、LDLコレステロール値、尿酸値等に基づいて予見されるリスクは、事業者の人事権あるいは指揮命令権の範囲内で回避することが極めて難しい」とあります。まあ、くだいて言えば「社員の腹まわりの長さまで企業は面倒見ないよ」といったことでしょうか。
これに対して連合は、安衛法の定期健診と一本化するなど労働者の負担を軽減することと共に、高齢者医療法に基づいて行われる「今回の(健診)項目追加についても合理性がある」としています。
さらに資料には、個々の健診項目の摺り合わせのための提案などが含まれている他、THP(Total Health promotion Plan)で養成した産業保健スタッフを特定保健指導に参加させることが望ましいとしている点が注目されます。ただし、この産業保健スタッフに含まれる看護士、栄養士が特定保健指導の実施者となりうるかについては検討中とあります。
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